マツダの技術 —ロータリーエンジンの仕組み—

目次
1車が動く仕組み
2ロータリーエンジンの長所・短所
3ロータリーエンジンの開発
4ロータリーエンジン搭載車
5マツダのロータリーエンジン搭載車RX7、RX8について
6ロータリーエンジンの今後


1車が動く仕組み
ロータリーエンジンって何?と思う人も多いと思います。もしかしたら名前を聞くのも初めてという方も少なくないかもしれません。
そもそも、車がどのようにして動いているのかを知らない人が大半かもしれません。
まずはロータリーエンジンの仕組みの前に一般的なエンジンの仕組みについて説明します。
大きく分けてエンジンは3種類あります
① レシプロエンジン
・4サイクルエンジン
・2サイクルエンジン
・6サイクルエンジン
② ディーゼルエンジン
③ ロータリーエンジン

①-1レシプロエンジン~4サイクルエンジン~
現在主流となっているものはレシプロエンジンと呼ばれるものです。その中でも4サイクルエンジンが自動車では主流です。
画像全体がシリンダーになります。
1:シリンダー内に燃料(ガソリン)空気を混合し吸入します。
2:ピストンで吸入したものを圧縮します。
3:圧縮したものに着火し、爆発を起こします。この際にピストンは爆発の力で押し戻されます。
4:排気を行います。
この一連の動作によってエネルギーを生み出し、車を動かしているのです。
ピストンが燃焼の力で上下運動をしていますが、これがクランクシャフトという半円形の部品を介して回転運動に変わります。4サイクルエンジンは一連の動作を行うのに、クランクシャフトが2回転しています。

①-2レシプロエンジン~2サイクルエンジン~
レシプロエンジンの2サイクルエンジンはクランクシャフト1回転でこれら4つの一連の動作を行います。つまり、“吸入と圧縮”を同時に行い、“爆発と排気”を同時に行っています。
この方法だと4サイクルエンジンと同じ回転数でも2倍の爆発回数を行っていることになります。しかし、圧縮比が4サイクルエンジンよりも低いため、2倍のパワーがでるわけではありません。このエンジンはバイクなどによく使われています。

①-3レシプロエンジン~6サイクルエンジン~
レジプロエンジンの6サイクルエンジンはクランクシャフト3回転で一連の動作であり、4サイクルエンジンの動作に掃気吸入行程と掃気排気行程が加わっています。6ストロークエンジンは実用的な用途での使用はほとんどありません。

②ディーゼルエンジン
ディーゼルエンジンは点火プラグや気化器が必要なく、高圧縮して高温になった空気に直接燃料を注入して自然発火をさせています。こちらも4サイクルと2サイクルがありますが、乗用車の場合は4サイクルを使用しています。またここでいう燃料とは軽油のことです。

③ロータリーエンジン
さて今回のテーマでもあるロータリーエンジンの仕組みについてです。①②はともにピストンを必要としていました。しかし、ロータリーエンジンはピストンの代わりにローターを使用しています。
画像と名前から、回転運動するエンジンということがわかると思います。
回転しているおむすび型のものがローターになります
ロータリーエンジンはローターが1回転するだけで、吸気、圧縮、爆発、排気の一連の動作を3回行う事ができます。
この一連の動作ごとにエネルギーが生まれ車を動かしているのです。

2ロータリーエンジンの長所・短所
ピストンを使用しているレシプロエンジンと比べると大きく3つの長所があります。
①軽量でコンパクト
②低振動・低騒動
③ハイパワー

①の「軽量でコンパクト」というのは、構造が簡単なのが要因です。レシプロエンジンとは違いカムやバルブが必要ありません。
②の「低振動・低騒動」というのは、上下運動するピストンよりも、回転するローターの方が静かなためです。
③の「ハイパワー」というのは、ローターの回転力を出力軸に効率的に伝えることができパワーロスが少ないためです。

逆にロータリーエンジンの短所は大きく2つあります。
①燃費が悪い
②低速トルクが不足する

①の「燃費が悪い」というのは、燃焼効率が悪いということです。これは燃焼・爆発によって得られるエネルギー(熱エネルギー)が余分な熱として放出され運動エネルギーに変換させづらい構造になっているためです。
②の「低速トルクが不足する」というのは、ロータリーエンジンが構造上「圧縮比」が低いためです。気密性を保つための「アペックスシール」と呼ばれる部品が高い気密性を保てないことが原因です。高速走行時にはこの問題は解消されます。

3ロータリーエンジンの開発
ロータリーエンジンの開発にはいくつかのメーカーが乗り出しています。
ドイツのNSUという自動車メーカーをはじめ、ダイムラー・ベンツやフォードがあげられます。
1959年にNSUとロータリーエンジン生みの親であるフェリクス・ヴァンケルが試験開発してから1985年までにロータリーエンジンの研究に携わっていた各メーカーが開発した特許件数はそれぞれ
NSU:291件
ダイムラー・ベンツ:299件
フォード:22件
です。この数字に対し、マツダが開発した特許の数は1302件です。
マツダがロータリーエンジンの開発において大きな役割を果たし功績を残していることがこの数字から読み解くことができます。

4ロータリーエンジン搭載車
自動車用として初めて実用化されたのはNSUのヴァンケルスパイダーです。その後、東洋工業(現マツダ)が続き、ロータリーエンジン搭載車の量産化に成功しました。その他にもシトロエンなども生産モデルにロータリーエンジンを搭載していましたが、1970年代以降で量産を続けたのはマツダのみでした。

5マツダのロータリーエンジン搭載車RX7、RX8について
マツダのロータリーエンジンを搭載したスポーツカーとして1978年から活躍していたRX7だが、2002年8月の環境・排ガス対策が行き詰まり生産を終了してしまいました。しかし、翌年には後継モデルではないが、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーRX8の販売を開始しました。唯一のロータリーエンジン搭載の量産車として活躍していたRX8だが、こちらも残念なことに2012年6月22日を以って生産が終了してしまいました。
現在、ロータリーエンジン搭載の量産車は世界から姿を消しています。

6ロータリーエンジンの今後
マツダは今後もロータリーエンジンの研究開発を続け、搭載車を発売するとしているが、予定は全くない状態です。素晴らしいロータリーエンジンが復活するかどうかはマツダに託された状態となっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加